写真は夏の盆踊りの風景である。紅白の幕のところをよく見ると、「昭和四十七年八月吉日 江東橋四丁目町会」と書いてある。左から弟、じゅんくん、さくらちゃん、私、そして同じ階に住んでいて2歳私よりも年上だった雅子ちゃんの5人である。手にはヨーヨー釣りの風船を持っている。弟は水あめか何かを食べている。
錦糸堀公園で毎年夏に開催されていたこの盆踊り大会は、大勢の人が集まって本当に盛大で、やぐらの上で太鼓をたたくおじさんの腕も一流だった。
定番の「東京音頭」「炭坑節」などの他に「錦糸町ブルース」なんていう曲もやっていた。それから佐良直美の「21世紀音頭」もよくかかっていた。「♪これから~31年経てば、この世は21世紀~」という歌詞だったと思う。21世紀なんて遠い遠い未来だと思っていた、あの頃が懐かしい。盆踊りの踊りも、かなり小さい頃から一人前に踊っていたように思う。
私達子どもは、毎年このようにゆかたを着てお祭りに参加していた。お小遣いをもらって、ヨーヨー釣り、ハッカ飴に水飴、金魚すくい、わたあめなどを楽しんでいた。
お祭りの間、昼間に錦糸堀公園に遊びにいくのも楽しみだった。おみこしが置いてあり、その周りをはっぴを着たおじさんたちが下町言葉で威勢よく動き回ったりしていて、活気にあふれる様子を感じるのが嬉しかった。もう少し大人になってから、よくドラマやドキュメンタリー番組で「下町の風景」が映ると、「あ、あの時の雰囲気と同じだ」と懐かしく思う。
この盆踊り大会は、母の話によると3日間程度だったらしいが、子ども心に2週間ぐらい続いていたようなイメージがある。それほど印象が強かったのだと思う。子どもの私はお祭りの期間、楽しくて仕方がなかったが、母や大人たちは「暑いし、遅くまでうるさいし、眠れないし。けっこう辛かった」と言う。そういえば家にはまだクーラーがなかったか、やっと付いたくらいの時期だったと思う。今では考えられない時代だった。
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