http://music-calendar.jp/2018080101
私が小学校に入学した昭和47年、1972年には、郷ひろみがデビューしている。錦糸小学校で同じクラスだった向後由美子さん(仮名)が、郷ひろみの大ファンで、よく郷ひろみの魅力について語っていたことを思い出す。
向後さんはたしか5歳上のお姉さんがいて、そのお姉さんが最初に郷ひろみのファンになって影響されたと言っていた。向後さんは話し方もはきはきとしていて大人っぽかった。やはりお姉さんがいる同級生は、私と違って大人だなあと思った。その頃の私は、アグネス・チャンのファンで、男性歌手には全く興味がなかった。
向後さんは、休み時間に郷ひろみの「男の子女の子」や「花とミツバチ」を歌って聞かせてくれたりした。しかし私は郷ひろみのどこがいいのか、よくわからなかった。(今になってデビュー当時の写真を見ると、とてもかわいいし、スタイルも良くて魅力的だと思う)。
そんなある日、私は錦糸小学校からの帰り道、いつものようにランドセルをしょって楽天地の前を歩いていた。すると広場に10人程度の人だかりがあることに気づいた。近づいてみると、何とそこに郷ひろみが立っていたのである。
郷ひろみは白くてキラキラ光るスーツを着て笑顔を振りまいていた。前には、金色のポールで支えられた赤い綱があって、私たち観客との間に仕切りがされていた。テレビにも出て人気のある大スターなのに、観客は意外と少なかった。たぶん郷ひろみが楽天地に来ることをファンは事前に知らされていなかったのだろう。女性はほとんどいなかった。私のようにたまたま通りかかったような人たち、主にサラリーマン風の中年のおじさんが群がっていただけだった。
私はおじさんたちをかき分けて、郷ひろみの目の前まで行ってじっと見てしまった。郷ひろみは優しく笑顔を返してくれた。足がとても長いなあと思ったけれど、ファンにはならなかった。ただ生まれて初めて実物の歌手を生で見たことに興奮していた。
翌日、向後さんに「昨日、楽天地で郷ひろみに会ったんだよ」と伝えると、とてもびっくりした顔をして「えーっ、私も会いたかったー」と、とても悔しがっていた。
その頃、楽天地には他にも多くの芸能人がよく来ていたらしい。美空ひばりも、正月公演は必ず楽天地からスタートする、という話を聞いたことがある。
美空ひばりも、もう他界してからかなり経つし、郷ひろみも還暦を過ぎたし。あの日から46年も経っていることに愕然としてしまう。
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