2019年8月10日土曜日

29.キャンディ♡キャンディ、「なかよし」を本屋さんで買っていた頃

 
キャンディ♡キャンディのLPレコード

 昭和51年5月から、私は少女向けまんが雑誌「なかよし」を買っていた。同じ少女まんが雑誌で「りぼん」もあったのだが、きっと本屋さんで表紙を見て「なかよし」の方を気に入ったのだと思う。
「なかよし」といえば「キャンディ♡キャンディ」である。私が買い始めた頃、すでにお話は佳境に入っていた。初恋の人アンソニーは事故で他界していて、キャンディはテリィのことを愛し始めていた頃だった。舞台はアメリカとスコットランド。タータンチェックやバグパイプなどを生まれて初めて知ったのも、この物語の中だった。
 私はお話しに夢中になり、毎月発売日には近所の本屋さん「大津書房」に急いで行って買っていた。その頃は300円だった。レターセットなどの付録も沢山付いていて、錦糸町の友達との文通などに大切に使っていた。
 昭和51年の10月からは、テレビでの放映もスタートした。放映の初日はドキドキしながらテレビの前で楽しみに待っていた。しかし「なかよし」の原画とはどこか違うタッチ、雑な感じの絵に心底がっかりした記憶がある。大ファンだっただけにその落胆は大きかった。
 とは言いながらも毎週しっかりテレビはみていた。それに主題歌などが入ったLPレコードも買って何度も何度も聴いたり歌ったりしていた。よほどはまっていたのだと思う。
 今はあんなふうに、発売日を楽しみにするとか、好きな曲を何度も聴くとか、そういうことは一切なくなってしまったなと、あの頃を懐かしく思う。年齢もあるのだろうけれど、物に対する有難みが時代と共に薄れてしまったと思う。
 あの頃通った「大津書房」も、数年前に京急大津を訪れた時、すでに無くなっていた。店主のオバサンがいつも立ち読みの客に目を光らせていて怖かった。そんなことも懐かしい。
 今は大きな駅の本屋さんもなくなりつつあって寂しい。横須賀中央にあった「平坂書房」もなくなっていたのには驚いた。
 変化は早い。でもそれだけもう長く生きているということなのかもしれない。
 

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