クラスメイトたちと。
後列右が私。
何となく男子たちのことも意識し始めた頃。
5年生の頃、私はクラスの女子たちに比べると成長が早く、背も大きかった。上の写真を見てもわかる通り、私は同級生よりも少し大人びている。
11歳になったある日のこと、母は「明日からこれを付けて学校に行きなさい」と、プレゼントのようなかわいらしい紙包みを私にくれた。中を開けてみると、みずいろのお花のレースが付いたブラジャーが入っていた。
「わぁ、かわいい」
生まれて初めてのブラジャーだった。ちょっと恥ずかしかったけれど、翌日からはそれを付けて学校に行った。たぶんまだ他の同級生女子はブラジャーを付けていなかったと思う。
その頃、体育の時の着替えは、男子と女子、別々だったのだろうか。詳細には覚えていない。しかし、誰か女子が気付いて
「あっブラジャーしてるの? 見せて、見せて!」
という感じで、一気にみんなが知ることになったような記憶がある。
それに親友のちっちゃんとは、登校も下校もいつも一緒で、隠し事も一切なく、いつも互いのことを全て話していたので、きっとブラジャーのことも話したと思う。
上の写真で私の隣に写っている新藤りか子さん(仮名)は、5年生になって新しい桜が丘の団地に引っ越してきた面白い女の子だった。新藤さんはなぜか私のことをとても気に入ってくれて、いつも私にスリスリしてきた。写真撮影の時も、私は新藤さんにスリスリされ、爆笑させられている。
新藤さんは私のブラジャーにも興味津々だった。新藤さん自身は、まだ背も小さく痩せている女の子だったので、未知の世界へのあこがれがあったのかもしれない。だんだん大人になって、そういうお年頃になってきた私たちであった。
隣のクラス、5年2組には諸田香澄さん(仮名)という女の子がいた。5年生の時に引っ越してきたので、小学校の時にはあまり話したことはなかったけれど、お互いに存在は知っていた。そして諸田香澄さんとは、中学・高校と一緒で、特に高3の時には同じクラスになってとても仲良くなった。
「としこのことは、小学校の時からよく知ってるよ。5年生の時、としこがブラジャー着けたってこと、2組でもすごい話題になったんだよ」。
彼女は高3の時に、そんな意外な話も教えてくれた。隣のクラスにまで話が届いていたなんて。それを聞いた私は爆笑してしまった。
ブラジャーに興味津々だったかわいらしい時代、子どもから大人に変わっていくあの時代の一コマは、ほのぼのとしていいなぁと思う。
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