隊長はシュッとしたイケメンだったように思う。そして背が高かったように記憶している。私はその頃、テレビマンガの真似だったのか、口をチューの形に尖らせて、両手を前につき出して「隊長~‼」と追いかけっこをするのが好きだった。隊長も走って逃げるのである。
今思えば、隊長は私のことを迷惑に思っていただろうか。隊長がどんな性格だったのか、一緒にどんな話をしたのかは全く覚えていない。それから名前も全く覚えていない。
私が上がった錦糸小学校に隊長はいなかった。別の学区に住んでいたのだろう。でも寂しいとか悲しいという気持ちはなかった。それが恋と言えるのだろうか。しかし隊長のことが大好きだったし、一緒にいたいと思う気持ちは確かにあった。
隊長の写真を実家で探してみたのだが、見つからなかった。私の記憶にある隊長の写真で、一番好きだったのは、遠足の時の写真である。お弁当を食べている隊長のすぐ横に、私はシートを敷いてお弁当を慎ましく食べていた。二人の他には誰も写っていない。四六時中付きまとっていた証拠写真であった。もし後日あの笑える写真が見つかったらアップしたいと思う。
隊長は写っていないが、その頃の私の雰囲気がわかる写真を下に載せたいと思う。これはいとこの家に遊びに行った時で、赤いワンピースに白いボレロを着ているのが私だが、小さいくせにいっちょまえに気取って体の位置を大人のように傾けている。そしてアゴを引いてかわいっぽい笑顔を作っている。本当に笑ってしまうほどのオマセな女の子だったのだと思う。
0 件のコメント:
コメントを投稿